Season 2 · Episode 10

詩篇23章

1. 基本データ

項目内容
タイトル詩篇23篇 / The 23rd Psalm
シーズン/話数Season 2 / Episode 10 (通算35話)
フォーカスキャラミスター・エコー
放送日 (US)2006年1月11日
監督マット・アール・ビーズリー
脚本カールトン・キューズ、デイモン・リンデロフ

2. エピソード・ストラクチャー

  • ストーリー構造:フラッシュバック(過去)
  • 重要地点:ジャングル、密輸機(ビーチクラフト機)、ナイジェリア
  • 重要アイテム:聖母マリア像、神父の服

3. ストーリー詳細

島での出来事 (On the Island)

エコーはハッチの中で、かつてチャーリーが隠し持っていてロックが見つけた「聖母マリア像(中身はヘロイン)」の存在を知り、激しく動揺する。彼はロックを呼び出し、突然ナイフで脅して「そのマリア像が積んであった場所へ案内しろ」と要求する。

ロックを道案内にしてジャングルを進む中、突如として巨大な「黒い煙の怪物(スモーク・モンスター)」が轟音と共に現れ、エコーの前に立ちはだかる。ロックは逃げるよう叫ぶが、エコーは全く怯えずに怪物の前に立ち尽くし、真っ直ぐに煙を睨みつける。怪物は彼を襲うことなく、まるで彼を「審査」したかのように引いていく。

ついに木の上に引っかかっていた密輸機(ビーチクラフト機)に辿り着いたエコーは、中に残されていた白骨死体を見て号泣し、遺体を降ろして祈りを捧げ、火葬する。エコーはロックに「彼(イェミ)が私の弟だ」と明かす。

過去/未来の回想 (Flashback: Mr. Eko)

エコーの過去。彼はナイジェリアの冷酷な麻薬王(ゲリラ部隊のリーダー)だった。彼の弟イェミは村の真面目な神父だったが、エコーは弟の教会を麻薬の密輸に利用しようと脅迫する。密輸用の聖母マリア像に大量のヘロインを詰め込み、神父の服を着て飛行機(ビーチクラフト機)でナイジェリアから逃亡しようとするエコーだったが、直前で軍の急襲に遭う。

その際、彼を止めようと駆けつけた弟のイェミが誤って軍に撃たれてしまい、飛行機に乗せられてそのまま飛び立ってしまう。残されたエコーは、神父の服を着ていたため軍に「神父様、大丈夫ですか」と勘違いされ、弟の代わりに生き残ることになる。これが、元麻薬王である彼が「神父」を名乗るようになった悲劇的な理由であった。


4. 今回の謎と伏線

提示された新しい謎

  • 黒い煙の怪物:煙の中に一瞬、エコーの過去の映像のようなものがフラッシュする描写がある。怪物は人間の記憶を読み取る能力があるのか?そしてなぜエコーを襲わなかったのか?

解明された事実

  • 密輸機の謎:シーズン1第19話でロックとブーンが発見した「ナイジェリアの密輸機」に誰が乗っていたのか、なぜあんな場所に墜落していたのかが、エコーの悲劇的な過去と完全に結びつく見事な伏線回収が行われた。

5. トリビア / 考察ポイント

  • 神の視点と奇跡:極悪人であったエコーが、弟の死をきっかけに贖罪として神父として生きる運命を背負い、遠く離れた太平洋の孤島で偶然にも(あるいは島の必然的な導きにより)弟の遺体と対面する。カールトン・キューズらの脚本の妙が光る、シーズン2を代表する傑作エピソード。
  • タイトルの意味:「詩篇23篇」は旧約聖書の一節であり、「たといわたしが死の陰の谷を歩むとも、災いを恐れません。あなたがわたしと共におられるからです」という、エコーの信仰と怪物の前での態度を象徴する言葉である。